●事後避妊薬が中学校と高校の看護室に フランスでは今年の6 月1日より、性交渉後24時間以内に服用すると、95%の避妊効果があるとされる事後避妊薬NorLevoが市販され、薬局で処方箋なしで買い求めることができるが、11月26日、 セゴレーヌ・ロワイヤル学校教育担当相は、この避妊薬を中学校および高校の看護室に常備し「きわめて緊急の場合にかぎり」生徒に無料で配布できるようにしたい、と発表した。Snies (全国校内看護フ組合) は、「私たちの使命に呼応するし、悩みを打ち明けられずに苦しんでいる女生徒たちへの救いになる」として歓迎。ただしこの錠剤は時間がたつと避妊の成功率が下がるし (3日後だと55%)、エイズの予防にもならないから、コンドームと従来のピルによる避妊法を広める努力を強化すべき、という批判の声も。フランスでは、18歳未満の妊娠中絶は年間約6700件。 ●外国人も地方選挙に一票 最近の世論調査によれば、フランス人の52% (若者は73%) が、外国人に地方自治体の選挙権を認めることに賛成しているが、11月24日、共産党は、10年の滞在許可証を持つ外国人が2001年の市長選挙から投票できることを目的とした憲法の一部改正法案を提出した。12月1日、国民議会の社会党グループも同趣旨の改正案を提出したが、憲法改正には国民議会および上院総議員の3/5の賛成が必要で、保守陣営では外国人の地方参政権反対が主流を占めている現状からみて、まだまだ時間がかかりそう。 ●シアトルでもボヴェさんはヒーロー 12月3日、世界貿易機関WTO閣僚会議は、米国が求めた農産物の輸出補助金撤廃案にEUが最後まで抵抗したり、開発途上国が先進国中心の議事進行を強く批判したりして合意に達することができず決裂。8月にアヴェロン県ミヨー市で建設中のマクドナルドを襲った農民連合のリーダー、ジョゼ・ボヴェさんは、シアトルのマクドナルド前での抗議集会でも演説し、非政府組織のヒーロー的存在になった。 ●またまたオーストラリアに破れる 12月3日から5日までニース市で行われたテニスのデビスカップ決勝で、91年、96年に続く3 度目の勝利を目指すフランスチームは、13年ぶりの優勝に意欲を燃やすオーストラリアチームと対戦。シングルスは2対2 で引き分けたが、ダブルスで破れ、ラグビーWカップ決勝戦の雪辱はならず、やはり準優勝にとどまった。 ●RPR (共和国連合) 総裁にMAM 12月4日、RPR総裁を選ぶ決選投票が行われたが、ミシェル・アリオ=マリ氏 (53) が62.7%を獲得し、シラク大統領が強くバックアップしたジャン=ポール・ドルヴォワ氏 (52) を破って新総裁に。フランスの主要政党のトップの座に女性が選ばれたのは、これが初めて。 ●失業者がデモ 10月も失業率が1%下がって失業者は266万9000人に。この1年間では27万7000人減で、「昨年の2倍という好成績」とオーブリ雇用・連帯相。ところが、11月30日マルセイユで、失業者1万人以上がクリスマスの特別手当3000Fを要求してデモ。このデモが全国へ飛び火することをおそれてか、12月6日、雇用・連帯相は、来年の1 月1日よりRMI (社会復帰のための最低収入) などを2%アップし、クリスマス特別手当も収入に応じて1000F~2900Fを給与すると発表。 |
1999年度(1~10月) パリ市内の軽犯罪 +3.45 % 98年度比 +40.1% 暴力を伴うひったくり (ひったくりの対象は4割が携帯電話) *99/11/16日、警視庁発表 |