Rougets-barbets au basilic
夏の間魚屋から姿を消していたヒメジ rouget-barbet が戻ってきた。小ぶりならはらわたも出さずにから揚げにし、レモンを絞りかけて食べる。20年ほど前にアルジェの港に面したレストランで食べて以来、僕はそのから揚げのトリコになっている。20cm 前後、200グラムちょっとのものは、さっと焼いてバジリコ風味はどうか。地中海産より、明るい朱色で金色の線が走った大西洋産が、さらに繊細な味だ。4人分で4尾、70フラン前後の贅沢。色鮮やかで、目がキラキラしている活きのいいものに限る。
まずバジリコ一把、さっと洗って葉だけを摘み、水気を切っておく。ニンニク1片はみじん切り。 ヒメジは、ふつうウロコをとってあるが、 まだついているようなら丁寧にとりのぞく。エラをとり、腹にできるだけ小さな切れ目を入れて腸を引き出す。ピンク色の柔らかな肝は残します。腹と頭にバジリコの葉を2、3枚突っ込み、両面にオリーブ油を塗り、軽く塩を振る。 フライパンを熱くし、ヒメジをのせる。油を敷く必要はない。中火。5分もすれば、きれいな焼き色がつくから、ひっくり返してもう5分。 焼きすぎないようにしたい。これを大皿に盛りつけ、黒コショウを挽きかける。 同じフライパンにオリーブ油をとり、ニンニクと残ったバジリコを入れる。葉がシンナリしてきたら、塩をふり、レモン汁を少々振りかけ、これを魚の上に飾ります。付け合わせはジャガイモのグラタンやバターライスがいい。ワインはサンセールの白などを奮発したい。 海の鮎といってもいいような風味は忘れられない。肝心の肝は、粗塩を振り、オリーブ油を落としてペースト状にし、香り高い身といっしょに味わう。(実)
● 材料 : ヒメジ4尾、バジリコ一把、オリーブ油、ニンニク1片、レモン、塩、コショウ