★★★Tant de choses a vous dire, 40 artistes chantent Anne Sylvestre 中絶問題を歌った “Non, tu n’as pas de nom” などで知られる、フランスを代表するフェミニスト歌手アンヌ・シルヴェストルは、女性の誇り、悲しさ、弱さを詩情豊かに歌い続けて、今年で40年。3月の歌手生活40周年記念オランピア公演では、彼女特有の母性本能に忠実な作品の数々を、いつもながらの優れた説得力で表現していて好感が持てた。地味な存在だった彼女も、今日ではシャンソン界の有力な地位をしめている。 Centre de la chanson が主催する今年のフェスティバルでは、本人は勿論のこと、ルマルク、ギドニ、M・ベルナール、レ・ ゼルほか、総勢40人の歌手たちが、”La femme du vent” や “Lazare et Cecile”、 “Une sorciere comme les autres” など彼女の珠玉の作品を競う。 (南) 12日と13日/20h。60F~110F。 14日/16hは、子供の歌 “Les Fabulettes” *Auditorium St-Germain-des-Pres : 4 rue Felibien 6e 01.4407.3743 |
|
● Les petits Assassins 新国立図書館脇の岸に停泊しているペニッシュで「小さな暗殺者」二人がコンサート。といっても歌手のアンヌ・デュブレはなかなかの体格で、ユーモアや辛辣さに満ちた詞を、語りかけるように歌ってくれる。そして伴奏以上の役割を演じるフレデリック・ダヴェリオのアコーデオンが素晴しい。彼のソロ演奏もあって、そのミニマルでいながら表情豊かな演奏は、今評判のリシャール・ガリアノにはない自由さがある、と僕は思うのだが…。 (真) 2日~10日/21h 50F *El Alamein : Port de la gare – Quai Fran腔is Mauriac 13e 01.4586.4160 |
|
● Faudel / Ba錨a (Sankara) 今月2日に Z始ithでライブがある The Verve のアルバムを「都市の聖歌」といえるなら、この Faudel のデビュー作は「灼熱の聖歌」と名付けよう。Rai (アルジェリアのポップス) 独特のメロディ、詩情は乾燥し灼かれた空気を感じさせ、 Faudel のとけるような歌声は「聖歌」を歌っているというしかない(おまけに Rai の「王様」である Khaled の親父面とは逆に彼の両手に収まりそうな小面は女の子をとろけさせるだろう)。 この「聖歌」、もちろん神様は違う。けど「愛」と「生」を高らかに歌えばそれでもう「聖歌」だ。 夏はやっぱりSEXとドラッグと暴力に満ちたロックを全身で浴びるのもいいけど、灼熱の太陽の下をぐるぐるまわる Faudel の Ra を浴びるのも悪くないさ! 夏を先取りで4日に La Cigale (102 bd de Rochechouart 18e) のライブに行くのはもっと悪くない。 (岳) |
● Marteau Rouge / …un jour se l竣e 叩いたり擦ったりして心を引き裂くようなギターを弾く J・F・ポヴォロス、日常的な音を歪めるのが得意なシンセとテープの J・M・フサ、ビートを彫刻するドラムの佐藤真。〈赤いハンマー〉の処女CDは、ジャズ?前衛ロック?現代音楽?民俗音楽?実際に演奏する本人たち にもわからないのだから困ってしまう。ある音やリズムをきっかけに、こんな音楽マグマが彼らの体を突き抜けて噴出する~とでもいおうか?美しい弧を描くカモメの飛翔、大天災を前にした都市の片隅、沼地の動物たちの不思議な会話、駅前ホテルでの愛、ロック野郎が夜明けに見る夢、そして日はまた昇る…という風に1本の映画をみるように聴くのはどうだろう。 でも彼らの即興は ライブが面白い。エスパス・ジャポンで公演します。 (真) 6日/20h30 、7日 /17h。 60F / 40F (会員)。 * Espace Japon : 9 rue de la Fontaine au Roi 11e 01.4700.7747 CDも100Fで発売中。 |