ついこの間まで夏休みだった気がするが、10月はまたトゥッサン(万聖節)のバカンスがやって来る。「2週間も子供と一緒に何しよう?」と頭を悩ませる親御さんも多いことだろう。だがこの時期、パリでは子供向けの良質な映画祭が開催される。スケジュールが白紙なら、ぜひ家族イベントに加えてほしい。老若男女“みな一本一律4€ ”の明瞭会計も懐に優しい。
第11回「Mon Premier Festival」は、2~12歳の子供に向けた古今東西の名作約100本を一挙上映。12のアート系映画館と、パリ市が運営する文化施設フォーラム・デジマージュ、ゲテ・リリックなどを会場に、市内で同時開催される。
国連気候変動パリ会議が開かれる今年、映画祭も環境問題に敏感。「Là où je vis ここが私の生きる場所」と題し、エコ意識が高まる30本を選出した。親子で環境問題を考える良いきっかけにもなりそう。名誉ゲストのリュック・ジャケ監督は、地球温暖化に警笛を鳴らす最新作『氷と空』を携え来場する。
今年のマレーヌ(名誉顧問)は、マルジャン・サトラピ監督。イランの子供時代、黒澤明の『七人の侍』を繰り返し見ていたという彼女が、映画祭のために選んだ3本は『ハッシュパピー ~ バスタブ島の少女~』『ミクロコスモス』『もののけ姫』。「この機会に制限なしに子供に映画を見せてほしい。その中で4、5人の子供が映画好きになってくれたら、私の役割は達成されます」と語っている。(瑞)
Mon Premier Festival
10月21日~27日
映画一本4€。家族みんなで使え5本分の値段で6本目が無料のCarte de fidélitéも販売。10月17・18日の土日は、映画祭開催に先立ち国立自然史博物館の進化ギャラリーで環境映画の特別先行上映会も実施。
映画祭情報は
www.monpremierfestival.org/