新緑深まる5月は、オリンピックに次いで世界で最も報道されるイベント、カンヌ映画祭の季節だ。68 回目の今年は13日から24日まで開催。盛装に身を包むスターの艶姿とともに、新鮮な映画ニュースが発信されるだろう。世界最大の映画マーケットも併設し、映画人にとっては避けては通れぬイベントに成長した。
世界一流の監督が競い合う 「コンペティション部門」は、最高賞パルムドールの対象となる看板部門。映画ファンの熱い視線が注がれる。コンペの格下に当たる 「ある視点部門」は個性的で大胆、もしくは新しい監督の作品が選ばれやすい。カンヌ事務局とは別団体が主催する並行部門の「監督週間」や「批評家週間」の存在も、映画祭をさらに盛り立てる。
今年は映画祭を長きに渡り率いてきたジル・ジャコブ勇退後の最初の年。総合ディレクターのティエリー・フレモーと、会長職に就任したカナル・プリュス局元最高経営責任者ピエール・レスキュールが、新カンヌをいかに舵取りするのかお手並み拝見だ。
今月のオヴニーはカンヌをより楽しむための特集を企画。フランス自慢の映画の祭典を、ぜひ気軽に楽しんでほしい。(瑞)
取材・構成・文 : 林 瑞絵