戦前のパリ前衛美術界で、画家の夫ロベールとおしどり夫婦で活躍し、色彩が躍動する抽象画を描いたソニア・ドローネー (1885-1979) は、服飾、テキスタイル、インテリアデザインなど、多岐にわたる分野のマルチアーティストだった。展覧会は、ロベールの陰に隠れがちだったソニアの才能の全貌を余すことなく見せている。抽象芸術はわからない、という人でも、ファッションやテキスタイルに応用された作品を見れば、ハードルが低くなるはず。ソニアのファッションコレクションのビデオもあり、誰でも楽しめる展覧会になった。第1次大戦の戦禍を避けて避難したスペインでも服飾の店「カーサ・ソニア」を開き、芸術感覚あふれるファッションを創り出すなど、逆境下でも精力的に働いた。全力疾走の人生が見ていて心地よい。
2/22迄。月休。
Musée d’Art Moderne de la Ville de Paris :
11 av. Président Wilson 16e