運輸機器・エネルギー界大手のアルストムは4月30日、同社エネルギー事業の米ゼネラル・エレクトリック(GE)による買収案を優先的に検討すると発表した。24日、この件が報じられるとすぐに、政府はGEフランスの幹部を経済省に呼び出して説明を求め、27日には政府の支持する独シーメンスが買収に名乗りを上げた。総額123億ユーロのGEの買収案に対し、110億ユーロのオファーのシーメンスは6日、自社の高速列車とメトロ部門をアルストムに譲渡する用意があると提案した。GEはフランスにおける雇用を増やし、ベルフォールにGEの熱利用エネルギー拠点を設置することを約束。また、8日の日経新聞は、GEがアルストムのエネルギー事業を買収したあかつきには、同事業の送電分野を東芝が買収する用意があると報じた。アルストムのエネルギー部門は再生可能エネルギーを含む発電、送電事業など総売上の70%を占める。