手軽でおいしい食事や、夜10時以降のしっかりした食事が意外に難しいのがパリの中心地。そこで登場がこのBlack dogです。一見してメタル好きがたむろすバーで、カウンターでは長髪にタトゥーの屈強なバーマンがビールをサービスしているので思わず引き返したくなるが、正面奥のレストランまで直行しよう。
ここで必ず試したいのが、アルゼンチン牛のステーキ! 友人と一緒に最上級のフィレ肉Le Lomo (28€)と、アントルコート(18€)を頼んでみた。付け合わせは、ジャガイモのソテーとサラダ菜を選ぶ。ロックフォールやペッパーなどの特製ソースも一つずつ選べるのだが、5種類すべて(3€)を試してみることにする。ステーキはどちらも200gで食べがいあり。メニューには400g、600g、さらには1kgまであるから、肉好きな輩(やから)がわっさわっさと集まってきて、週末ともなれば22時からのセカンドサービスはもちろん、24時のサードサービスまであるのもうなずける。飲み物にはアルゼンチンワインと迷ったが、せっかくだから生ビール。アイリッシュの黒ビール、マーフィーズ(7.2€)とペルフォルスのブロンド(5.7€)をパイントで頼んだ。
さて、ステーキのお味はというと、評判にたがわず、レアでもやわらかくジューシーで食べやすい。ザ・ベストとうたうだけあってロモは間違いなくおいしいが、日本人向けには脂のまじったアントルコートがいいかも。5種類のソースのなかでは、パセリとニンニクの効いたチミチュリがいいねと友人と合意した。
さてさて、忘れていけないのがデザート。〈エイリアンの卵〉だの、〈ブラック・オーガスム〉といった怪しげな名前が並ぶなか、Tombeau(6€)を頼む。じつはこれ、「墓」という名にふさわしく棺の形のフォンダン・ショコラなのだが、これが抜群のうまさで大びっくり。昼には、メインと前菜、またはデザートという2皿で13€のコースあり。サービス係の女性もとても感じがいいし、大いに利用できる店になりそうだ。(里)
Black dog
Adresse : 26 rue des Lombards, 75004 parisTEL : 01.4271.2227
月~土12h-14h30/月~日20h-23h(金土 -24h) - 日曜営業