パリからまっすぐ西に約400キロ、ブルターニュの港町カンカルが本店。安かろうまずかろうというツーリスト向けのクレープ屋さんに厳しい批判を寄せるパリジャンも、「この店こそがホンモノ!」と太鼓判。評判のそば粉のクレープ「ガレット」は23種類の品揃え。そば粉ならではの香りと歯ごたえが特徴。食通御用達のボルディエ社のバターをふんだんに使い、ダンテール(レース編みのように)といわれる、細かな網目状にパリッと焼き上がっている。焼き温度が十分で、熟練の手際で仕上げられた証拠。
「原材料へのこだわりと、伝統の尊重が、私たちの品質のあかし」と宣言するオーナーのベルトランさんの言葉通り、ブルターニュ産ソバの実を丁寧に引いた生地と、有機栽培野菜や有機飼育の卵が美味しい。定番の「ガレット・コンプレート」から、ホクホクのブルターニュ産のアルティショーとハム、グリュイエールチーズをトッピングしたもの(9.5€)と、オリジナルレシピから自家製ニシンの燻製にポルティエ産の生クリームとニシンのキャビアが添えられたもの(12.5€)を注文した。シードルは超辛口のオーガニック「シードル・ド・フェナン」(18€)。ガレットは連日の行列が納得の、深みがありそれでいて胃にもたれない軽やかな味わい。甘い小麦粉のクレープは、ショウガがピリッと効いてヤミツキの美味しさの「カレモン・ジャンジャンブル」がオススメ。
そして忘れてならないのが、カキ(6個16€)! ルイ14世もベルサイユ宮殿まで運ばせたというブルターニュ随一と誉れ高いカンカルのカキは、激しい潮の満ち引きで味が洗練され、小ぶりでも濃厚。カンカル本店2階には、海の幸をふんだんに生かした星付き日本料理店〈La Table〉が。モン・サンミッシェル湾が客室の目の前に広がるホテルも併設というから、ぜひともカンカルの本店にも出かけたい。(高)
La Table Breizh Café : 7 quai Thomas 35260 Cancale
02.9989.6176 12h-13h30/19h30-21h30。火水休。
Breizh Café
Adresse : 109 rue Vieille du Temple, 75003 Paris , FranceTEL : 01.4272.1377
URL : www.breizhcafe.com
11h30-23h。月火休。 - 日曜営業