フランスで温泉というと病気治療のために長期滞在するイメージが強いが、湯治客だけでなく一般の人々にもその魅力を知ってもらい、バカンスで気軽に利用してもらおうと、中央山塊地帯の18の温泉町が集まって「絹の道」ならぬ「La Route des Villes d’Eaux 温泉町街道」というコンセプトを作った。
クレルモンフェランを中心として、東西南北に点在する山間の小さな町々。辺鄙(へんぴ)なところに突如現れる豪華な建物群に驚がくさせられる。
温泉には遊興がつきもの。フランスの温泉には必ずカジノがある。立派な劇場がある町もある。カジノや劇場に出かけるためのよそ行きのドレスや宝石類を売るブティックもある。レトロな上等のホテルに泊まり、地元の食材を使ったブルジョワ料理を堪能するフランス式温泉旅行を一度味わってはいかが。
文・写真:羽生のり子