今年の夏はブルターニュのフィニステール(「地の果て」という意味)県にあるル・コンケで2週間。小さな町だが、漁港だけあって魚屋がある。生けすには、ブルターニュ名物のカニやロブスター、澄んだ目をした銀色に輝くイワシ、ピーンと死後硬直状態のサバ、頭、皮付きのアンコウが並ぶ。ある日、近海物のgermonあるいはthon blancと呼ばれる、身が、薄いバラ色のマグロが、丸ごと置いてあった。1キロを筒切り一つにしてもらった。しょう油もワサビもなかったので、イタリア風たたき! 赤、黄、緑のピーマン、キュウリ、小さな白タマネギ、ライム、ニンニク、バジリコ、パセリなどを買い求めた。
ピーマンは二つに割ってからオーブンの上火でこんがりと焦がす。その間に、キュウリは薄く輪切り。白タマネギは細くせん切り。ライム1個は四つに割ってから小口切り。もう1個はしぼっておく。バジリコとパセリは飾り用の葉を少々残して、みじん切り。ニンニクはごく薄く切ってキツネ色にから揚げし、クッキングペーパーにのせて油を切っておく。表面が一様に焦げたピーマンは10分ほど新聞紙にくるんでおいてから皮をむき、せん切り。そしてバルザミコ酢、オリーブ油ベースのビネグレットソースも用意する。マグロは中骨にそって四つに切り分け(右欄参照)血合いの部分をのぞいてから、いくつかに切り分ける。カツオのたたきの要領で、塩をふってから強火であぶって氷水で冷まし、クッキングペーパーで水気をよくぬぐう。
大皿にキュウリをまんべんなく並べる。マグロをやや厚めに切って並べる。その間、間にピーマンを置く。全体に軽く塩をふり、黒こしょうを挽きかけ、ライムの搾り汁少々を散らし、軽くたたく。その上に、白タマネギ、小口に切ったライム、ニンニク、バジリコ、パセリを散らし、ビネグレットソースを添える。ワインはムスカデの白。このたたき、サケでもおいしくできる。(真)
4〜6人分:マグロ1キロ、赤、黄、緑のピーマン1個ずつ、キュウリ1本、白タマネギを茎ごと5、6本、ライム2個、ニンニク5、6片、バジリコ、パセリ、オリーブ油、
バルザミコ酢、塩、コショウ