ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏を復活させ、マラン・マレの曲を広め、バッハの無伴奏曲を驚異のテクニックと音楽性で弾き通して圧倒的な評価を受けた、といえばホルディ・サヴァル。 スペインの15、16世紀の音楽、スペインから追放されたセファラディン(ユダヤ人)の恋や別れの歌、オスマントルコの洗練された音楽、長い歴史の中エルサレムに響いた、ユダヤ教、イスラーム、キリスト教の信者たちの祈りや音楽、ケルト音楽…、と旅を続ける。今回は、ソプラノのモンセラート・フィゲラス、エスペリオンⅩⅩⅠを率い、ラテン語で『Mare nostrum(私たちの海=地中海)』と題する。「Mare nostrumは文明のみなもとで、かつては交流と触れ合いの場だった。それが現在では越えられない死の境界になっている」とサヴァルは語る。人間愛溢れる彼の音楽に接することができるまたとない機会でしょう。(真)
28日20h。39€/30€。