ブルターニュ名物のファールというと、タルト型で焼かれる、干しプルーンや干しレーズンの入ったプリンのことだが、ジャガイモやベーコンが入った塩味のファールもある。実際に現地で食べたことはないのだが、昨年バカンスで滞在したウエサン島で、Farz oaled と呼ばれるファールの作り方が出ている絵はがきを買ってきておいたので、先日、子羊の煮込みを作った時に、その付け合わせ用にチャレンジしてみた。
ジャガイモは皮をむいてから洗い、よく水気をぬぐい、キャロット・ラペよりはやや粗くおろしておく。ベーコンlard fumeは皮を切りとってから、拍子木形あるいは大きめのさいの目に切り分ける。
オーブンの目盛りを180度に合わせて点火し、オーブンに入れる型にまんべんなくバターを塗っておく。ブルターニュ料理なので、バターはやっぱり有塩バターです。
大きなボウルに卵をとり、丁寧に割りほぐす。牛乳を入れ、泡立て器で絶えずかき混ぜながら小麦粉を少しずつ加えていく。おろしておいたジャガイモ、ベーコン、干しレーズンも混ぜ入れる。こんなにたくさんのレーズンとためらいがちだけれど、焼き上がると適度の甘さにおいしくなるので、ご心配なく。軽く塩をし、コショウをたっぷり挽き入れる。好みではナツメグをおろし入れてもいい。これを型に流し込み、上にバターをちょんちょんとのせて熱くなっているオーブンへ。
1時間くらい経ってきれいな焼き色がついてきたらでき上がり。熱々を食卓に出して味わいたい。ウエサン島では厚鍋に生地を入れて暖炉の火で焼き上げるのだが、厚鍋のフタの上に枯れ草や泥炭を乗せて焼くので、いぶし風味がついてうまいという。
この塩味ファール、ベーコンや干しレーズン、ジャガイモなどの風味が一つになって美味美味! 肉料理や焼き魚の付け合わせにするのが一番だが、サラダなどを添えてそのまま食べてもいいだろう。そんな時の飲み物は、ブルターニュ名物のシードルです。(真)
大きめのジャガイモ3、4個、ベーコン400g、干しレーズン200〜300g、小麦粉200g、牛乳700cc、塩、コショウ、卵1〜2個