フランス人は残った肉を転用するのが上手だ。ボクは初めからポトフやローストポークを多めに作って、このグラタンを作ることにしている。こっちの方がおいしいという人も多いだろう。残り肉は4人分で400グラムはほしいが、足りなかったら、小さく切り分けたベーコンやハム、あるいは皮をむいてさいの目に切ったアンドゥイエットを混ぜ込んでもおいしくできる。
まずリヨン風ジャガイモを作る。シャルロット種のような身の締まったジャガイモ中6個の皮をむき、3ミリくらいの厚さに輪切り。タマネギ1個は薄くせん切りにする。このへんでオーブンの目盛りを200度くらいに合わせて点火。
フライパンにバター大さじ1杯をとり、色がついてきたらまずタマネギを入れて炒める。タマネギが透き通ってきたら、ジャガイモを加える。よく混ぜ合わせて軽く塩をし、トリガラのスープをひたひたに加える。これをオーブン皿に移し、熱くなっているオーブンに入れ、30分くらい焼く。
この間に肉を準備。残り肉を食べやすいように細かく切り分ける。フライパンにふたたびバター大さじ1杯をとり、今度はみじんに切っておいたタマネギ中1個を軽く色がつくまで炒め、肉を加える。木のヘラで混ぜ合わせながらしばらく炒め、塩、コショウ。さらに全体がぱさぱさしないように、液状の生クリームを半カップほど加え、ぐつぐつといったら火から下ろし、マスタードを大さじ1杯混ぜ込む。
今度はオーブンの上火だけに点火。ジャガイモの上に肉を均等に広げ、コショウを挽きかける。その上にパン粉(自家製だったら文句なし)を振りかけ、熱くなっているオーブンの上段に入れる。5、6分ほどで表面にきれいな焼き色が付いたらできあがりだ。
ふーふーいいながら、肉、ジャガイモ、タマネギの風味が一つになったおいしさを味わいたい。(真)
残り肉400グラム、ジャガイモ中6個、タマネギ2個、バター大さじ2杯、トリガラのスープ、生クリーム100cc、マスタード大さじ1杯、パン粉、塩、コショウ