春になると、ヤギは野外で香りのいい牧草を食べるようになり、子ヤギも生まれ、たっぷりの乳。そこで、ヤギ乳のチーズは5月くらいからが食べごろになる。
ヤギ乳チーズは、ヴァランセやサンセール、クロタン・ド・シャヴィニョルなど、オルレアン市からロワール川にかけてのソローニュやベリー地方が名高い
が、このセル・シュル・シェールも例外ではない。直径8センチ、厚さ2.5センチほどの大きさで、3週間ほどかけて熟成される。表面が青みがかっていて、
形がくずれていず、身が真っ白なものを選びたい。塩味が強すぎたり、身がなめらかでなかったりするものは避けましょう。ヤギ乳ならではの香りがあるけれ
ど、味は柔らかめ。どこかハシバミのような木の実の風味がある。木炭の粉をかぶっているけれど、それがヤギ乳ならではの酸味と中和してうまさを増してくれ
るので、そのまま食べること。
小さめのチーズなので、チーズをいくつか買って盛り合わせるときにも便利。ワインは、辛口の白ワインか、シノンのようなロワール産の上品な赤がおすすめだ。(真)