
Festival d Avignon Texte et mise en scene Tiago Rodrigues
Traduction Thomas Resendes Scenographie Fernando Ribeiro Costumes Jose Tenente Lumiere Rui Monteiro
Musique et son Pedro Costa Collaboration artistique Sophie Bricaire Avec les interpretes de la Comedie Francaise : Eric Genovese, Denis Podalydes, Elsa Lepoivre, Loic Corbery, Gael Kamilindi, Elissa Alloula, Sephora Pondi
2026年7月4日〜25日
街中が演劇一色に染まるアヴィニョン演劇祭は、2026年で80回目の誕生日を迎える。今年は7月4日から25日迄の開催。昨年は集客率98%という驚異的な観客動員数も話題に。老舗演劇祭はますます活力が漲(みなぎ)っている。
本年度のポスターは黄色い背景に浮かぶ黒い疑問符。この疑問符こそ、今年のテーマだ。4月の記者会見で芸術監督のティアゴ・ロドリゲスは、「人を狂わせるのは疑いではなく確信」というニーチェの言葉を引用しながら、硬直した悪い答えばかりがはびこる現代において、芸術作品を通したアーティスト側からの疑問の声を祝福する回になることを宣言した。

ロドリゲス本人の作品『Hécube, pas Hécube』は、今年の演劇賞モリエール賞で3部門にノミネートされた(エルザ・ルポワーヴルは女優賞)。前芸術監督のオリヴィエ・ピィに続き、現役のトップ芸術家が演劇祭を率いているのも、近年のアヴィニョンの特筆すべき傾向だろう。

Portrait de Tiago Rodrigues © Christophe Raynaud de Lage
韓国語が招待言語
2023年以降、アヴィニョンでは “招待言語”を設定するようになった。英語、スペイン語、アラブ語に続き、今年は韓国語の年。約10本の韓国作品を通して、K-POPや韓流ドラマのその先にある同国のソフトパワーに触れられる貴重な機会に。期間中は名物映画館シネマ・ユートピアで、韓国映画の解説付き特集上映も催される。

注目はアジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した韓国人ハン・ガン原作の二作品。7月15日と16日の二日間上演される『鳥 Oiseau』は、仏・韓バイリンガルの朗読劇。済州島4・3事件を背景とした小説『別れを告げない』の第1章を取り上げる。
出演はイ・ヘヨンとイザベル・ユペールで、韓仏の大女優の競演に。二人はすでにホン・サンス監督『旅人の必需品』で共演した仲である。演出は国立コリーヌ劇場の新ディレクターに任命されたばかりのジュリー・ドゥリケ。もう一つの作品は『Che dolore terribile è l’amore』で、こちらも『別れを告げない』からの翻案作品。イタリア人演出家ダリア・デフロリアンが手がける。
女性演出家の名前が続くが、今年は女性が男性の数を上回る史上初の年。公式招待作品の47公演(共同演出作品含む)を、女性27人、男性16人が手がけている。また、24人がフランス人、25人が海外のアーティストが占めている。
開幕作品は、『マルドロール』
アヴィニョン教皇宮殿の中庭で上演される名誉の開幕作品は、ジュリアン・ゴスランの『マルドロール Maldoror』。ロートレアモンとロベルト・ボラーニョの作品を織り交ぜながら、「なぜ芸術家は悪に魅了されるのか」という問いに挑む。

ブラジルからは、ヘンリック・イプセンの『民衆の敵』の続編を構想した『Un procès après l’ennemi du peuple』。クリスティアーネ・ジャタヒーとワグネル・モウラによる共同作品だ。モウラといえば、昨年のカンヌ映画祭で、主演作『シークレット・エージェント』が最優秀男優賞を受賞。本作でアヴィニョン入りが最も待たれる時の人だ。
サーカス、パンソリなど幅広いプログラム。
アヴィニョンは演劇だけではない。年齢や言語の壁も気にせず楽しみやすいダンスや音楽、サーカスのパフォーマンスも用意する。例えば、フランスのパフィーマー集団 Collectif XYは、アクロバティックな空中のポエム『Le Pas du Monde』を披露。これはサーカスが教皇宮殿の中庭でアヴィニョン史上初めて上演される機会となる。また、歌手イ・ジャラムの『Neige, neige, neige』は、韓国の伝統芸能パンソリのスペクタクルだ。
アヴィニョン演劇祭の歴史を感じたい人は、中心地からはかなり遠いが、ダイナミックな景観が楽しめるブルボン採石場を会場としたパフォーマンスを狙うと良いだろう。
同時期には市内の約100の劇場が会場となる非公式の自主公演「アヴィニョン・オフ」も、演劇祭の魅力の一つ。街中でチラシを配るアーティストたちと直接交流しながら、鑑賞作品を探すのが良いだろう。(瑞)
アヴィニョン演劇祭 2026年は7月4日から25日迄 https://festival-avignon.com
チケット予約について https://festival-avignon.com/fr/billetterie-601
非公式の自主公演「アヴィニョン・オフ」https://www.festivaloffavignon.com
