
Escalope de veau au citron
イタリアのレストランは、リストランテとトラットリアに分けられる。前者が凝ったコース料理を出す高級店なのに対し、後者は値段も手ごろで家庭的な雰囲気をもった店だ。ボローニャ滞在中に何度か通ったトラットリアでは、学生グループ、子連れのカップル、仕事帰りのサラーマンなどでにぎわっていた。そこで気に入った一品が、子牛肉の生クリームソース、レモン風味だ。子牛肉が大好きなイタリア人に気に入られるように、心がこもっていた。
子牛のもも肉noixをつかうのだが、「en tranches très fines」と注文して、薄く切ってもらう。枚数はもも肉の大きさ次第だけれど、4人分として合わせて500グラムくらいはほしい。それを60グラム前後に切り分け、一人当たり2枚として8枚用意する。もも肉は脂身がほとんどなく、そのまま焼くと固くなりがちなので、ミートハンマーattendrisseur de viande、なかったらめん棒やワインの空ボトルでたたいて、さらに薄く柔らかくしておくことが大切だ。両面に塩、コショウをし、薄く小麦粉をまぶしておく。
エシャロットを細かなみじん切りにする。
4人分を一度に焼けるような大きなフライパンにオリーブ油とバターを半々にとり、中強火にかける。バターが泡立ってきたら子牛肉を入れ、軽く焼き色がついたらひっくり返し、もう片側にもごく軽く焼き色がついたところで大皿にとり出しておく。
フライパンは洗わず、バターを大さじ1杯足してエシャロットを加え、弱火にかける。エシャロットが透きとおってきたら、白ワインを注ぎ、強火にして木のへらで混ぜあわせながら肉のうまみを溶け込ませる。白ワインの量が半分ほどに煮つまったら、レモンのしぼり汁を加え、生クリームを混ぜ入れ、塩、コショウで味を調える。ここで中火に落とし、肉をもどす。2、3度ひっくり返せばでき上がりだ。
付け合わせは市販のニョッキだが、それにからめるトマトソースは自家製(コラム参照)にしたい。ワインはどちらかというと白が合う。サンセールやプチ・シャブリだったりしたら文句なしだ。(真)
【材料4人分】
子牛のもも肉の薄切り2、3枚(合わせて500gほど)、オリーブ油、
バター、小麦粉少々、塩、コショウ。
ソース:エシャロット1個、バター、白ワイン150cc、生クリーム大さじ6杯、レモン1個、塩、コショウ。
Sauce tomate
トマトソース

自家製のトマトソースをからめればパスタが倍おいしくなるだろう。多めにつくって残ったら冷蔵庫で保存すればいいので、トマトピューレ2缶、合わせて800グラムを鍋にとる。大きめのニンニク4片の薄皮をむいて加える。軽く塩、コショウして中火にかけ、沸騰したらふたをし。ときどきかき混ぜながら、弱火で30分ほど火を通す。ピューレがかなり煮つまっているだろう。ニンニクをとり出して皿にとり、スプーンの背できめ細かく押しつぶし、トマトソースにもどして混ぜ合わせればでき上がり。好みで細かくみじんに切ったバジリコやセージを加える。

