Le Paris de la Modernité, 1905-1925
年末年始のめでたい気分にふさわしい、絢爛豪華な展覧会である。1905年から1925年まで、パリが大きく変わったこの時代の美術、服飾、演劇、工芸、建築、工業を包括的に紹介している。
19世紀末から多くの若い芸術家がアトリエを構えたモンマルトル。ここでピカソとその友人たちが前衛芸術を生み出した。その後、芸術の中心はセーヌ対岸のモンパルナスに移り、「エコール・ド・パリ」と呼ばれる外国人芸術家たちが脚光を浴びた。モディリアーニ、スーチン、藤田嗣治、ヴァン・ドンゲンらが時代の寵児になっていく。
展示会場には、これ1枚でも人を呼べるのに、と思うような彼らの傑作がさりげなく展示されている。ポール・ポワレはコルセットで体を締め付けないストンとしたドレスを発表し、女性たちに受け入れられていった。ポワレのドレスやカルティエの宝飾品も一見の価値がある。1914年に第一次世界大戦が勃発したが、パリでは戦時中でもバレエや芝居が上演され、展覧会も開催された。戦後、「狂乱の時代」と呼ばれた1920年代が始まり、パリ、特にモンパルナスには世界中から人が集まった。ミュージックホールが盛んになり、1925年に渡仏したジョセフィン・ベイカーがスターになった。
同年パリでは、建築と装飾美術に特化したアールデコ博覧会も開催された。この時代の作品を1点選ぶとしたら、ロベール・ドロネーの「パリ市、女と塔」だろうか(下画像)。同博覧会の装飾美術家協会パヴィリオンの装飾として描いた大作の縮小版だ。エッフェル塔に象徴される工業発展への楽観的な思いが表れている。(羽)
4月14日まで
Petit Palais ーMusée des Beaux-Arts de la ville de Paris
Adresse : av. Winston-Churchill, 75008 ParisURL : https://www.petitpalais.paris.fr
火〜日 10h-18h (本展への入場16hまで) 金〜土 10h-20h (本展への入場18hまで) 1月1日休館 15€ 割引料金13€ オンライン予約推奨