不世出のディーヴァ、マリア・カラス。ギリシャ系の移民の子として1923年に生まれたので、今年は生誕百年にあたる。彼女の名唱中の名唱3曲をYouTubeからピックアップしてみた。
伊ベルカントオペラのパイオニアともいえる作曲家ベッリーニの 『ノルマ』から「Casta Diva」。巫女(みこ)ノルマの切々とした祈りを 「清らかな女神よ…」と真情をこめてカラスが歌う。
映画監督パゾリーニが 『王女メディア』の主役に起用したカラス。ドラマティックなオペラでもほかを寄せつけない。ヴェルディの『マクベス』一幕目「さあ急いで」は、王を暗殺するよう夫マクベスをけしかけるアリア。カラスの熱唱で血肉を得たマクベス夫人の欲望が垣間見せる深淵…。
プッチーニの『トスカ』も得意で、今でもカラスのトスカを超える歌手はいないといわれているが、ここではプッチーニの最後のオペラ『ジャンニ・スキッキ』から「O moi babbino caro」。若い娘ラウレッタが、恋人と結婚できないのなら死んでしまいたい、と父親に訴えるラブソング。60年代の録音で、高音域の衰えは隠せないけれど、なんという表現力!(真)
カラス生誕100周年特設コーナーがFnacに登場。
10月2日〜15日の期間、パリとストラスブールのFnacには、マリア・カラスコーナーが設置される。CD、レコードだけでなく、本、カラスの肖像プリントのトートバッグ、胸像ほか、コレクターアイテムも買えるそう。
ショプ情報☞ Fnac ストラスブール
☞ Fnac Terne (パリ17区)