生態学者、宮脇昭氏が提唱した植林の「宮脇方式」がフランスで広がりつつある。その地に自生する木を数種類び、樹齢2〜3年の木を狭い間隔で植え、3年ほど手入れした後は自然に任せる。数年後にミニ森林になると、生物多様性を高め、大気を浄化するなどのメリットが謳われている。フランスでは「ブームフォレスト」という市民団体が窓口だ。
1月末、パリ郊外シャトゥで、ブームフォレストと市の支援を得た植樹イベントがあった。地元の市民団体「シャトゥ・アン・トランジシオン」が中心となり、市民農園の一角に、市民と学童600〜700人が週末の3日間、幼い木を植えた。コナラ、ブナのような大きくなる木と、スグリのような小低木を組み合わせ、同じ品種の木を続けて植えないようにする。木が小さいので、短時間で植樹できる。
ブームフォレストを主催する3人のうちの一人エンリコさんは、横浜国立大学の宮脇氏のもとで宮脇方式を学んだ。東日本大震災の後、仙台で植樹して実地体験も。ヨーロッパと日本では木の品種や気候が異なるため、日本と連絡を取り合って宮脇方式を広めているという。(羽)