ブルゴーニュ地方のコート・ドール県は昨晩、きょうの午後に開催が予定されていた「オスピス・ド・ボーヌ2020」ワイン・オークションの延期を発表した。毎年11月の第3日曜日に行われるもので、今年は第160回目。オークション会場が衛生規準を満たせないとの判断から、開催前夜になって発表された。ボーヌ市長は、12月のクリスマスなどの直前あたりに開催したいと地元のメディアに語っている。
オークションの売り上げは、医療研究所や、病人を支援する市民団体などに寄付されるのが伝統で、今年は、コロナで打撃を受けた病院や、病院関係者で亡くなった人の子どものために寄付される。昨年は1200万ユーロの収益となった。
オスピス・ド・ボーヌは「ボーヌの施療院」とも呼ばれる。1443年にブルゴーニュ公の大法官であったニコラ・ロランとギゴーヌ・ド・サランが病気を患う貧しい人々のために設置した病院だ。歴史的なHôtel Dieu施療院は今は博物館となっているが、近代的な病院 Hospices civile de Beaune も運営。オスピスに寄贈されてきたブドウ畑60haを、22人のワイン製造者(オスピスの社員)に託して造ったワインを販売するのがこのオークションだ。
ブルゴーニュ・ワインの格付けでも最高の特級、一級などが競りにかけられることで、例年、世界のワイン愛好者の注目を浴びている。