ロックダウン中「生活必需品」外の商品を扱う商店は、再び閉店となった。クリスマス前の休業は、商店にとっては存続問題。商店経営者らによる政府の措置に対する〈抵抗運動〉が続いている。
まず立ち上がったのが書店だった。10月30日に小さな書店が閉店となった後も、ハイパー・マーケットの書籍コーナーが販売を続けていることに対して抗議を始めた。「本は必需品とみなすべき」と、営業許可を要求する署名運動を展開し、出版関係者らが新聞に共同寄稿。Fnacは通信機器などがテレワークに必要として営業が許可されているが、その店内でも書籍が販売されていることに対して異議を唱えた。
ほかにも化粧品、衣料品、玩具、花、本など「必需品」外を扱う商店は閉店を余儀なくされているのにもかかわらず、スーパーやハイパーマーケットでは同じものの販売が続けられているのは不公平だとする商店経営者らの声をうけ、政府は11月4日からこれらの商品の販売を禁止とした。
本に関しては、文学賞の発表は特にクリスマスシーズンの本の売り上げに大きく関わるため、文学賞の審査団も政府の措置に対する抗議に加勢。ゴンクール賞の発表は11月10日に予定されていたが、書店が閉店している間は、書店への連帯の印として、賞を発表しない意向を明らにし、アカデミー・フランセーズ賞、ルノドー賞などがそれに続いた。賞が発表されれば即座に受賞作がアマゾンやFnacのサイトで売れてしまい、小型書店がネット販売システムを設けたところで太刀打ちできないからだ。
経済省は、Fnac とハイパーマーケットの書籍コーナーを閉める決定を下した。書店の多くは注文をネットや電話で受け付け、店頭で商品を渡す時間帯を設けるようになった。