ピガール界隈で名を馳せているカクテルバーL’Entrée des Artistesにいたバーマンが、Faggioという名のピッツェリア、オステリア、食料品店をオープンした後、新たに始めたのがこのワインバー。ワインはすべてナチュラルワインで、グラスはいずれも6€、ボトルだと20€台のものから100€以上のものまで幅広く揃う。 中南部アヴェロン県のNicolas Carmaransが手がける赤ワインMinimus(32€)はどっしりしすぎず程よい肉付きと繊細さのバランスがいい。ロワールのClos du Tue-Boeufによる白ワインLe Petit Buisson(31€)はソーヴィニョンとは思えないふくよかさが印象的だ。
ワインの良さもさることながら、料理もまた素晴らしい。1番のおすすめはローストチキンのサンドイッチ(8€)。小皿に添えられた肉汁に浸して食べるのだけど、原始的な喜びを覚える旨味に、我を忘れてかぶりついてしまう。このためだけにでも来る価値のある逸品だ。
南仏の名物パニスも後引く美味しさ。とろりとしたヒヨコ豆のペーストが軽やかに揚げてあり、粗塩とアイオリソースでいただく(5€)。ライスコロッケのアランチーニ(7€)も、ユダヤ風アーティチョークの丸揚げ(8€)も、すべて満点。本格的に薪で焼き上げる窯焼きのカルツォーネ(8€)や青唐辛子(6€)、炭火焼きのタコ(9€)やカツオ(12€)など、焼き物が充実しているのが嬉しい。
これら定番メニューの他に、焼きトウモロコシの削りペコリーノチーズがけ(7€)、マテ貝やヤリイカのソテー(10€)、イワシのフライ(9€)他、随時変わるメニューも魅力的で、何度来ても注文に迷ってしまう。デザートはイチジクのローストや、オレンジの花の香りのプリン(各7€)でうっとり夢心地になれる。
あらかじめ用意され、サーバーで注がれるカクテル(全10€)も大人気。20時を過ぎると混み合うことが多いので、ゆっくり舌鼓を打ちたいなら早めに席を確保したい。(み)
Bambino
Adresse : 25 Rue Saint-Sébastien , 75011 ParisTEL : 01.4355.6820
アクセス : M° Saint-Sébastien Froissart
18h-0h (料理は19h-23h) 無休