紅白なますは、新潟のお正月料理のひとつで、なんということはない、せん切りにしたダイコンとニンジンの甘酢漬けだけれど、イクラが彩りになって華やかな一品になる。サケの鼻先にある軟骨で、コリコリとした歯ざわりの氷頭(ひず)も入ると「氷頭なます」になるのだが、これはちょっと無理だから、かわりにスモークサーモンを入れるとフランス人の食いしん坊にも評判がいい。
ダイコンは、フランスならではの皮が真っ黒なもの(radis noir)が少々辛みがあってうまい。小さめで重たく皮につやがあるものを選ぶ。
ダイコンは皮をむいて6、7センチほどに切り分け、せん切りにする。ダイコンの1/4ほどの量のニンジンも、同様にせん切り。どちらにも軽く塩をまぶして手でやさしくもんで10分ほどおいから、手で水気を絞ってボウルにとる。やはりせん切りにしたスモークサーモンも混ぜ入れ、塩少々を加えた甘酢を適宜加えて、全体を混ぜ合わせる。
各人の小皿に盛りつけてイクラ*をのせれば、スモークサーモンも入っているので「親子なます」です。(真)
*新潟では、さっとゆでた「トトマメ」と呼ばれるイクラをのせるけれど、やっぱり生のイクラの方がうまい!