ヴォロヴァンvol-au-ventという料理をご存知だろうか? 伝統的なフランス料理の一つ。惣菜店でよく見かけるbouchées à la reine (クリーミィなソースが溢れんばかりに入った円形のパイ)の大型版で、ブシェアラレーヌは前菜だが、ヴォロヴァンはメインをはれる料理だ。
それを看板料理に提げて人気急上昇中なのがこの店。その名の通りカフェなので、朝8時からクロワッサンとカフェの朝食がとれたりできるのだが、何より素晴らしいのがその料理とサービス。給仕担当のロクサーヌさんと調理担当のジャンさんご夫婦はともに一流店で修業しており、まさにプロの仕事を堪能できる。
まずはヴォロヴァンを味わいたい。農家産の鶏肉、リドヴォー(仔牛の胸腺肉)、アスパラガス、ジロル茸と季節の贅沢な素材を使っているので、他のメイン料理(26€)より10€追加と高価ながら、ほとんどのテーブルで注文されている。通常は前菜とメイン36€、メインとデザート33€、3品で42€。さらにランチなら、前菜とメイン、またはメインとデザートで25€、3品で29€と料金設定も良心的。
本日の前菜は、みじんに切ったゆで卵をあしらった魚のリエット。塩分も舌触りも優しい味わい。メインのランド産鶏肉のローストは、表面は香ばしく、中はしっとりと肉汁を残した柔やかな食感でこれも素材の良さを生かし尽くしている。付け合わせのクルジェットもただ焼いてあるだけなのに味わい深い。
菓子店として名高いラデュレでの経験もあることから、シェフの作るデザートも定評あり。次の機会にはミルフイユかパヴロヴァを試したい。(里)
Café des Ministères
Adresse : 83 rue de l’Université, 75007 Paris , FranceTEL : 01.4705.4362
アクセス : Assemblée Nationale / Invalides
月〜金 8h-22h 土日休 人気店なので予約は必至。