身長153cm。大の猫好き。髪型は永遠のマッシュルームカットで、ここ数年は赤と白のツートンカラー。孫からは「mamita punk (パンクおばあちゃん)」と呼ばれていた。映画監督アニエス・ヴァルダのことである。2019年3月29日、パリの自宅で息を引き取った。享年90歳。ジャン=リュック・ゴダールは、「ヌーヴェル・ヴァーグの道の仲間だった。残るはもうジャック・ロジエ監督と私だけ」と心境を語っている。
1955年に監督デビューし、革新的な映画運動のヌーヴェル・ヴァーグと伴走。『幸福 (しあわせ)』(1965)でベルリン映画祭の銀熊賞、『冬の旅』(1985)でベネチア映画祭の金獅子賞を受賞。新世紀に入っても興味の赴くまま作品制作に没頭した。近年はカンヌ映画祭や米アカデミーでも名誉賞を受賞。つまりゴダールや黒澤、コッポラ(父)のように、世界三大映画祭全てと米アカデミーでの受賞を経験しているのだ。そんな偉大な監督ではあるが、いつも社会や市井の人々に興味を持ち、家族や友人を深く愛した。多面的な魅力にあふれるヴァルダの作品やゆかりの場所を、今こそ (再)発見してみよう。(瑞)
■ 72e Festival de CANNES
2019年 5月14日-25日
もうすぐカンヌ映画祭。今年のポスターの主役は、カメラをのぞくアニエス・ヴァルダ、当時26歳。1954年8月、ヌーヴェル・ヴァーグの始まりを告げた長編処女作 『ラ・ポワント・クールト』撮影中の姿だ。この時たしかに、彼女は映画の未来を映していた。
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Château de Chaumont
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