ラ・ヴィレット公園の運河沿いに現れた木の小屋。「眺めのいい場所はたくさんあるのに、それを楽しめるレストランが少なく残念」と、ギヨーム・シュポーさんが公園の一角に昨秋開いたレストランだ。
1、2週間で組立てや、解体ができ、移動できる。ここをスタート地点にして、今後は絶景ポイントを旅する予定だ。マルセイユやボルドーなどから声がかかっているという。店に入ると「お好きなテーブルを」と言われた。どの席からも運河や公園の芝生が見えるよう窓が大きく作られ、木の床や壁も温かみがある。
どこにレストランがあっても、地元の生産者から食材を仕入れるのがポリシーだ。レストラン自体が旅をするが、シェフたちも旅で様々な香りや味覚に触れてきた人たち。彼らは2ヵ月ほどで交代することになっているから、メニューはその度に変わり、それに合わせて経営者のギヨームさんがワインをセレクトする。
私が行った日は、焼いたビーツの前菜(12€)、イカのポワローねぎ添え、甲殻類ソース(15€)、ミュスカデ一杯(8€)。もう少し盛りがよければいいのだが!この日のシェフ、マリオンさんの献立は、前菜とか主菜といった区別がなく、例えば3皿同時に出してもらうなど、自由にオーダーできるように考えられていた。
このレストラン、ただ、居心地最高!というだけではない。生ゴミからは堆肥を作る。使用済の水は、厨房から出る油っぽいものと、手を洗っただけの水と分けて処理。油っぽいほうは、油を抽出し蓄積しておいて引っ越しの時に業者に引き取ってもらう。油と分離された水は、他の排水と一緒に、レストランに配備された機械で浄化され、飲食ではないトイレなどで再利用する。トイレも、従来の排水管にはつなげない独立式。
週末は混むだろうから、また平日に来て、公園と眺めと食事を、ゆっくり楽しみたいと思った。(六)
Ventrus
Adresse : Allée du Canal - Parc de la Villette, ParisTEL : 07.4919.1962
アクセス : M° Porte de la Villette / Porte de Pantin
URL : http://www.ventrus.fr/home/#reservations
水〜日、12h-14h15/ 19h15-22h15 (木金土は-22h30)