3ヵ月ぶりに映画館再開。文化産業にコロナの影濃く。

 週刊誌 L’OBS、6/18-24の号は、「SOS Spectacle」。

 新型コロナウイルスの流行で、営業が禁止されていたフランス全国の映画館が6月22日、3ヵ月ぶりに再開した。心待ちにしていた多くのファンが訪れ、久しぶりに大画面で作品を堪能した。しかし映画を含め文化産業全体へのCovid-19の影響は甚大で、復興の道のりは険しい。

 全国約2千の映画館が再開。パリでは22日の0時1分から営業を再開した映画館もあり、待ちわびた映画ファンがマスク姿で開館前から列をなした。外出禁止令で上映が中断された作品と、封切が延期されていた作品が重なり、新作として通常の約二倍の40作品が上映となる。感染防止策として国は、観客席以外でのマスク着用を義務づけ、家族や友人同士で訪れた客は隣合って座ることができるが、他人同士は一席空けなければいけないとした。映画館に先立ち、美術館や歴史的建造物、劇場、コンサート会場も再開を始めている。しかし入場人数の制限が設けられていることもあり、休業中の損失を取り戻すにはほど遠い。フランス映画館連盟(FNCF)は、全国の映画館の合計損失額は4億ユーロと見積もっている。各種フェスティバルについての調査を行っているSoFEST!によると、全国のフェスティバルのキャンセルによる損失額は合計で23~58億ユーロ。特に音楽部門の影響が大きく17~38億ユーロに上る。監査・税務などのEY社の調査では、民間の舞台芸術業界の3~5月の損失は5億9千万ユーロで、文化関連企業の半数が倒産寸前。パリ・オペラ座は度重なるストに加え、Covid-19による閉鎖で決定的な打撃を受け、ディレクターは6月中旬辞任を表明し「年末には運転資金が底をつく」と明かした。

 文化産業を支援するため、政府は国内総生産の15%に当たる3千億ユーロを投入。映画館、劇場、コンサート会場、書店などの閉鎖で影響を受けた企業に対し、前年の3ヵ月分の売上を上限に国が融資し、返済期間は最大5年とする措置を発表している。また他の業種と同様、外出禁止令による直接的な影響を受けた企業や個人事業主に対し1500ユーロの支援金も。

 だが損失はあまりにも甚大で、国の支援は文化業界を安心させるにははるかに及ばず、将来を悲観して、転職に踏み切る人も多いという。フランスの類を見ない文化政策は世界的に有名で、この未曾有の危機をどう乗り越えるか注目されている(重)。


 

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