新型コロナウィルス対策のための外出規制で、地元の生産者から直接農作物を受け取って会員に配布するNPO「アマップAMAP(農家支援アソシエーション)」は困ってしまった。農作物は生活必需品だが、配布所は店ではないし、配るのも会員だ。配布所に使う多くの建物が閉鎖されている。
パリ地方のアマップをまとめる「アマップ・イル・ド・フランス地域圏連絡網」は、同地域圏の県から配布の許可を獲得し、通常と違う場所での配布について保険会社の承諾も取って活動を続けている。
(羽)が加入しているパリ郊外のアマップは、普段は市の文化センターを配布所にしていたので、近くの会員宅に変更。通常は、野菜の種類ごとに並んで自分の分を取るのだが、配布する会員と受け取る会員の距離が近くならないよう予約制にし、時間帯ごとに人数を決めた。
取りに来る会員を門の外で待たせ、庭で野菜を1世帯分ずつ分け門まで持っていく。配布人は全員マスクとゴム手袋をつけ消毒液を持参。会員には、体調不良の人は来ないようにと伝えてある。
この日はキャベツ、人参、玉ねぎ、ポロネギ、マーシュ、カボチャなど。いつもの倍の時間がかかるが、順調に進んで農家も大満足。「危機の時こそ、地元の農作物を地元で消費することが大切」というアマップの心意気を見せることができた。(羽)