Y子さん(67)は20歳の頃、特に祖母から見合いを勧められ、彼女の顔を立てるためという約束で1回は受け入れたものの、これではたまらないと日本脱出。長年第一外国語で学んだフランス語を生かし航空会社を皮切りにフランスではいろいろな職業を経験する。フランス人のご主人は50歳で航空会社のリストラを機にインドネシアのバリ島で領事関係の仕事に。彼女は友人と撮影プロダクションや電子機器部品の輸入販売も手がけた。娘2人、息子1人。今は孫3人の面倒を見るマミー役で張り切る。
パリにいる長男夫婦は共稼ぎ。6歳の女の子と2歳半の男の子がいて、毎週水曜日は孫娘のダンス教室への送り迎えをし、2人を博物館に連れて行ったり。リールにいる35歳の末娘は旦那が音楽関係の仕事をめざしているので頼りにできないと、自分でフードトラックの和食弁当屋を始めました。広場や駐車場にトラックを停めて、近所の勤め人がオフィスビルから買いにきます。私もリールに行き,彼女の5歳半の娘の相手もし、ポニークラブに連れていきます。
パリ・リール間の往復はたいへんでしょ?
TGVなどには乗りません。BlaBlaCar(ブラブラカー)サービスを知ってるでしょ、ネットで登録すれば、いつでもどこへでも相乗り運転手が見つかり、とても安あがりで便利。
一方、長女は40に近づきシンガポールにいます。数年前に「私は同性愛の部類なの… 」と打ち明けられた時は、まさか自分の娘が同性愛者だったとは…天地がひっくり返る思いでした。私の人生はまだまだ波瀾万丈だなーと痛感しました。相手は英国系マレーシア人。昨年結婚式を挙げると聞いてまた驚きましたが、どこの国で式が挙げられるのか調べた結果、南アのプロテスタント教会で正式に結婚できるというので、私はパリから、夫はバリ島から飛んでいき式に参列しました。6歳のおしゃまな孫娘が不思議な顔で言うのです。マミーとパピーは (68年世代)マリーアージュの写真がない、パパとママもパックスで式を挙げてない、おばちゃんと彼女、”アムルーズ”(レズの恋人)同士が純白のドレスで牧師さんの前で愛を誓ったのね。