前回はカモ飯を作ったけれど、今回はカモ肉のたたき。お酒やワインのおつまみとして最高です。magret de canardという胸肉を買ってくる。皮と身の間に包丁を入れつつ引っぱるようにして、皮と身を切り離す。両面に塩、コショウする。
フライパンを強火にかけ、しっかりと熱くなったら、胸肉を入れる。焼き色が付いたらひっくり返し、もう片側にもきれいな焼き色を付ける。これで、肉の芯はバラ色というちょうどいい焼き加減になるのだ。10分ほど置いて落ち着かせてから、できるだけ薄く切って皿に並べる。あったら山椒(さんしょう)の粉を振りかける。ぼくは、パリの中華食品店で簡単に手に入る花椒(かしょう)をもみつぶしながら振りかけることにしている。あとは、ショウガやきざんだネギなど好みの薬味、ポン酢(ライム風味にするとさらに美味!)を添える。おつまみなら、胸肉は一枚400グラムくらいあるので、これで充分4人前のおつまみになる。
寒い時には、この胸肉を皮ごと薄く切ってから、豆腐、ネギ、大根、シイタケなどと一緒に鍋にするのもおすすめだ。カモの脂を吸い込んだ豆腐や野菜のうまさは格別だ。ただカモ肉は、火を通しすぎると固くなってまずいので、煮加減に気をつけることが大切。(真)