平和、安全、寛容。新しい年への希望を尋ねると、これらの言葉が真っ先に出てきた。オブニーはこの新年号にあたり、街へくり出し、パリジャンに2016年の抱負を聞いてみた。世界への期待、自分のプロジェクト、心持ちなどを教えてもらった。愛、微笑み、みんながゆったり暮らせる平穏な世の中…以前なら、口にするのが照れくさかったような、漠然とした感さえあったこれらの言葉も、今は実感がともなって、熱く響いてくる。
激動の昨年、私たちは、この国の理念が傷つけられた時、フランスの人々が、想像を超えた連帯の力を瞬時に発揮することを目の当たりにし、それに参加した。現実は簡単ではないだろう。今も世界のあちらこちらで火煙が上がり、フランスを二分する改憲の審議なども来月に控えている。そんな新年の第1号は、奇しくもOVNI800号。1979年の創刊から37年。この国に、今、生きることの意義を感じつつ、これからも楽しみ、人々に会い、話しを聞きながら、考えていくことができれば幸いに思う。本年もまた、よろしくお願いいたします。(集)