イワシは4月から9月くらいまでがシーズンで、暖かくなるにつれて大きくなっていく。この4、5年のことだが、魚屋に、イワシの開き、それも頭と尾、中骨をとったものが魚屋に並んでいることがある。面倒な手間が省けて便利だし、時には活きのいいものもある。これを使ってエスカベッシュ(南蛮漬け)を作ってみたらおいしくできた。エスカベッシュは、代表的なポルトガル料理の一つで、これが日本に伝わって南蛮漬けになる。
まずイワシの開きを揚げやすいように二つに切り分け、背びれが残っていたら切り取る。小さな腹骨は、揚げてからマリネすると気にならなくなるので、そのままでかまわない。
玉ネギ、ニンジン、赤ピーマンはせん切り、ニンニクはみじん切りにして、たっぷりのオリーブ油で炒める。色がつかないように弱火です。2分炒めたら、中火にし、白ワインを加える。ローリエの葉と丁字も加え、沸騰してきたら、レモンとオレンジの搾り汁を入れ、軽く塩をし、カイエンヌペッパー少々と砂糖二つまみを加える。砂糖は入れすぎないこと。再び沸騰したら、2分ほど火を通す。野菜やスパイスの香りがよく出るようにそのまま1時間置いておく。
イワシの両面に軽く塩、コショウし、小麦粉をまぶし、軽くたたいて余分の粉を落とす。フライパンに落花生油をイワシの開きがすっかりかぶるくらいの高さまで入れる。中火にかけ油が熱くなったら、イワシをまず皮の方が下になるように入れ、揚げていく。きれいな色がついたらひっくり返す。もう片側にも色がついたら取り出し、バットに重ならないように並べる。
先ほど用意しておいたマリナードを熱くして、イワシの上からかける。冷めてからラップして冷蔵庫に入れ、二日は待ちたいものだ。マリナードのうまみを吸ったイワシのおいしさは格別だ。このエスカベッシュ、小アジでも小サバでも作れます。 (真)
4人分:
イワシの開き300〜400g、玉ネギ半個、ニンジン1本、大きな赤ピーマン半個、レモン1個、オレンジ半個、オリーブ油大さじ6杯、白ワイン 1カップ、ローリエの葉 2枚、丁字 2本、カイエンヌペッパー、小麦粉、落花生油、塩、コショウ
Filets de sardines
イワシの開きを揚げて熱々を食べるのも美味。開きを二つに切り分け背びれを切り取る。塩、コショウし、クミンパウダーを振りかけ、洋風の衣 (下のコラムを参照)を付けて揚げ、レモンを添える。もう一品。市販のタプナードを買ってきて、開きに薄く塗ってコショウし、二つに折り合わせて、ようじで止め、軽く小麦粉をまぶしてから、オリーブ油でソテーする。
Pâte à beignets
塩小さじ半杯を混ぜておいた小麦粉125グラムをボウルにとり、真ん中に卵黄1個と落花生油大さじ1杯を入れ、木のヘラで混ぜ合わせる。ビール150ccを、だまができないように少しずつ混ぜ入れていく。泡立て器を使うと具から衣がはがれやすくなるので、相変わらず木のヘラです。なめらかになったら、卵白1個を固く泡立ててやさしく混ぜ入れる。ラップをして1時間置いておく。