最近「covoiturage」という言葉をよく耳にする。
これは車の「乗り合い」を指し、発着点が近い友人知人が待ち合わせ、一緒に車に乗ることだ。ヒッチハイクとの違いは、「乗り合い」は習慣性があり、車を順番に使ったり、経費をワリカンにするのに対し、ヒッチハイクはドライバーが路上で合図している人を善意で「乗せてあげる」感覚だ。
以前からcovoiturageをする知人はいたが、皆自宅が近い会社の同僚とか子供が同級生だったりと、「知人であること」が前提だった。
ところが近年話題になっているcovoiturageは、まずインターネットサイトで発着点を登録し、ヒットした見知らぬ誰かと連絡を取るという仕組み。と聞くと、用心深い私はリスクはないの? と考えてしまうが、covoiturage絡みの犯罪は不思議とあまり聞かない。
もちろん各サイト*では、以下のような注意点を挙げている。①待ち合わせ時間と金額を相談しておくこと。②保険会社に伝えておくこと。③他人にハンドルを預けないこと…。
このシステムの魅力は、やはりローコスト。パリ-マルセイユ間のTGV料金は90~140ユーロであるのに対し、covoiturageサイトを利用すると40~60ユーロくらいだ。通勤のみならず、バカンス時の利用者も増えている。
ここまでcovoiturageが浸透した理由について、某紙は「合言葉はエコノミック、エコロジック、社交性」とする。確かに社交性がなければ、目的地に着くまで気詰まりな時間となりそうだが、そこはフランス人気質がものをいう。利用者によれば「目的は見知らぬ相手と仲良くすることではなく節約だから、性格が合わなくても問題ない。もちろん嬉しい出会いがあったら素敵だけど」。「空気を読む」日本人気質では始終気を遣い、到着する頃には気疲れでぐったりしている…かも(和)
*人気サイトはBlablacar : www.covoiturage.fr