料理本

●オプティ美保・高崎順子『パリ生まれプップおばさんの料理帖』
 この一冊で、パリ16区に住んでいて、今年94歳になるプップおばさんの料理を味わっているような気分になれる。彼女の笑顔の写真からも、料理からも優しさがにじみ出る。こんな料理の元になっているのが、彼女のおばあさんが手書きした料理帖だ。パリ上流階級の家だっただけに、料理作りなどの家事はすべてお手伝いさん任せだったが、そのお手伝いさんに、オプティ家の味が出せるようにという目的で書かれたノートだったという。その中のレシピの数々が、プップおばさんと姪(めい)に当たるオプティ美保さんによって再現されている。
 でき上がった料理たちを見ていて感じることは、ブルジョワ階級の人たちが家で食べていたものは、決してぜい沢ではなく、体の滋養になるものばかりだということだ。盛り付けだっていたってシンプル。大皿に盛って食卓に出し、ゲスト、長老、ご婦人たち…と順繰りに取り分けるスタイルだという。スフレだってプップさんは、一人分の器ではなく、大きな器で作るので、取り分けようとすると、しゅっとしぼんだに違いない。
 作り方もむずかしくないし、食材もどこでも簡単に手に入るものばかり。きょうはコレ、次はアレ、と少しずつ150年前の味を探っていきたい。
新潮社刊。1400円(税別)。

●『Cuisinière Lyonnaise』…
 フランスでは、自分だけの料理帖を、少しずつ書き足したりしながら大切にしている料理上手が多かった。そこには雑誌のレシピが切り抜かれて挟み込まれていたりする。そんな、家庭料理のコツがたっぷり詰まっている料理帖が復刻されて出版されている。ボクが持っているのは『Cuisinière Lyonnaise』と『Les meilleures recettes de nos terroirs』。きれいな斜体で書かれたレシピから、無名の筆者の料理心が伝わってくる。
Editions Stephane Baches刊。
本屋にない時はwww.cuisineplaisir.frなどのサイトで購入。20€くらい。


 

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