ラストシーンにつながる大切な意味

© Photo LOT
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『Quatre minutes』

  ピアノを介した世代の違う二人の女性の交流と友情。「4分間」という題名にはラストシーンにつながる大切な意味が含まれている。
 恋人をかばい殺人の罪で服役中の若い娘ジェニーは、幼い頃から天才といわれるほどピアノが上手かった。荒んだ生活を送るジェニーのもとへ刑務所で長年ピアノを教えてきた老婦人クルガーが送りこまれる。自己破壊的なジェニーにピアノへの情熱を取り戻させ、若い才能を発掘するピアノコンクールで優勝させよう、という刑務所側の更正プランがあったからだ。ジェニーとクルガー、そして刑務所の看守ミュッズの決して平穏とは言えない日常が始まる。そこへ突然姿を現すのが、ジェニーが嫌悪してやまない養父フォン・ローベンだった。
 ピアノ、音楽への情熱を分かち合うジェニーとクルガーの関係はとても脆い糸で結ばれている。感情の起伏が激しいジェニーに対し、内に感情を閉じ込めるクルガー、二人の心の綾が繊細に綴られていく。ジェニーの心の深層には暗い影と傷があり、クルガーも心の底に誰にも打ち明けられなかった秘密を抱えている。人間は皆孤独なのだと思い、音楽だけが自分を救うと信じてきたクルガーが、ジェニーと迎えるラストシーンは美しい。アンコールでも堅い表情がとれないジェニー役のポーリーヌ・ルプランスの熱演が印象に残る。クルガー役を演ずるアンドレア・フェレオルがマルコ・フェレーリの「最後の晩餐」に出ていた女優だったとは最後まで気づかず、後で知ってびっくり。ドイツで2006年に製作された同名映画をこのたび舞台化、演出したのはジャン=リュック・レヴォル。(海)

2015年1月迄。

火-土21h マチネ 土15h。22€-38€
Théâtre La Bruyère : 
5 rue La Bruyère 9e  01.4874.7699
www.theatrelabruyere.com

 

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