クラシック音楽の月刊誌「Diapason」が、CD10枚組みで出した「Mozart- musique de chambre」には宝物が満杯。極め付きは、ピアノのリリ・クラウスとバイオリンのゴールドベルクによるバイオリンソナタ。軽やかでどこまでもさっそうとしていて、時にふと影を落とすかなしさ。アルチュール・グリュミオーとクララ・ハスキルによる定評ある演奏も入っているが、ちょっとかなわない。
やはりクラウスがピアノを弾いているピアノトリオ6曲も名演奏! バイオリンのウイリー・ボスコフスキー他。それにしてもクラウスの、よどみなく、よく弾む音の美しいこと!
そして、ジュリアード弦楽四重奏団による「ハイドンセット」。これまで何度かCD化された70年代後半の録音ではなく、1962年録音のもので、隅々まで緊張感がぴ〜んと張りつめている。ビオラの動きもくもりなく、あざやかに浮かび上がる。(真)