1950年代前半生まれの写真家の3つの展覧会

© Martin Parr/Magnum Photos/Galerie kamel mennour
© Martin Parr/Magnum Photos/Galerie kamel mennour
Maison Européenne de la Photographie での、1950年代前半生まれの写真家の3つの展覧会が面白い。
●Martin Parr «Paris»
 サッチャー時代のイギリスの中流・労働者階級の変化を独自の視点で撮って有名なマーティン・パ-(1952-)が、パリに集まる観光客と群衆を撮った。ルーヴル美術館のモナリザを携帯電話で撮影する人々、ファッションウィークのショーから出てきた高級ブランドに身を包んだ女性、18区のLa Goutte d‘Or地区で道に座ってお祈りをするイスラム教徒の集団、革命記念日前夜に踊り狂う人々…。皆が同じ方向に向かうことの退屈さを表現し、「花のパリ」のイメージではないパリを捉えたが、上から目線ではなく、ユーモアが漂う。このシリーズの写真集『Grand Paris』も、挑発的で皮肉な題名だ。
●Luciano Castelli «Self-portraits,1973-1986»
 スイス人ルチアーノ・カステリ(1951-)は、1970- 80年代、壁崩壊以前のベルリンで、音楽、絵画、彫刻、写真、ビデオで幅広く活動した前衛アーティスト。その中から、ほとんど知られていない両性具有的な自画像を紹介。女装した美貌のアーティストから、めまいが起きそうなエロティシズムが発散される。女装自画像写真の先駆者、ピエール・モリニエと1974年に出会ったときは、寝食を忘れて一緒に仕事をした。このときモリニエが撮ったカステリの肖像は、まさにモリニエのスタイル。今回初めて公開される写真だ。
●Fouad Elkoury «Le plus beau jour»
 パリとベイルートで活動するフアド・エルクリ(1952-)は、レバノン生まれのアメリカ在住の詩人、エテル・アドナンの詩『To be in a time of war(戦時を生きる)』に写真を付けた。戦時中の日々の絶望を淡々と語った文章が、戦火で破壊されたレバノンの風景に重なり、余韻を生む。
3展とも下記会場で5/25迄(月日休)。
Maison européenne de la photographie:
5/7 rue de Fourcy 4e
©Luciano Castelli

©Luciano Castelli


 

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