市町村区議会議員選挙。

3月13日付パリ・オブス誌の表紙。
3月13日付パリ・オブス誌の表紙。
 6年毎の市町村区議選挙の第1回投票が3月23日、決選投票が30日に行われた。全国95県3万6千の市町村区の第1回投票に90万人の候補者が顔を並べた。中でもマリーヌ・ルペン党首が率いる国民戦線FNは、08年選挙では200の市町村区に候補者リストを届け出たが、今回はその約3倍、596のリストを届け出、1000人以上の当選を見込んだ(08年は59 人当選)。失業と工場閉鎖にあえぎ、移民に反発する南・北東部の農業従事者や労働者・組合員の44%はFNを支持し、FNの定番の公約「反 “3I(Impôt, Insécurité, Immigration  税・治安悪化・移民)”」に共鳴する投票者が急増。
 第1回投票には多くの左派投票者が棄権し、オランド大統領(支持率17%)への不満票が、民衆運動連合UMPとFNに横滑り。08年比得票率:左派50.2%→42.5%、右派42.5 %→46%、FN1.5%→8.9%と社会党の急激な落ち込みとFNの急上昇を見せる。FNは人口1万人以上の229市の決選で三つ巴(どもえ)の選挙戦をくり広げ、2極政党制をくつがえす。
 今選挙で注目されていたのはマルセイユの高齢市長ゴダン候補(74)の4期目の挑戦。結果は彼の次にFN候補がのし上がり、メヌッチ社会党候補は3番目。次期市長は古参のゴダン氏 ? 彼はいままで市長と上院議員を兼任してきた。フランスでは国会議員は地元の声を反映すべきという通念から、地方の公職兼任が認められてきた。長年問題になっていた兼任廃止法案に上院は反対してきたが、昨年9 月に国民議会を通過し、1 月22日、最終的に成立した。
 施行は2017年からなので、今回の市町村区議選挙に現国会議員は立候補できるのだが、当選した場合、国民議会議員(上院は3年毎に半数を下院・県市町村議員代表が選ぶ)は、2017年総選挙に立候補するか、地方政治に専念するか選択を迫られる。現在60%以上の国会議員が地方の公職を兼任しており、議会にはよく欠席し、市町村長としても不在がち。政治家の兼任廃止により政界の民主化と若手議員への広がりが望めそう。
 また注目すべきは、パリ市長の座に女性候補二人(745号13-7-1参照)が出馬したこと。ドラノエ市長が2001〜07年/2008〜14年と2回、計13年の任期を終え、後を継ぐ社会党候補は長年、第一助役を務めてきたアンヌ・イダルゴ。彼女に対抗するのは、UMP国会議員、前環境相ナタリー・コシウスコ=モリゼNKM候補。前者は、少女時代に両親とスペインからフランコを逃れてきた元避難民家族の出。NKM は、「山の手」出の、前サルコジ大統領自慢のブロンドの花形政治家。 イダルゴに言わせれば、パリ市外からの飛び降り(パラシュタージュ)候補。現在パリ東部の過半数の区は社会党が支配しているが、第1回投票の結果は右派35.64%、左派34.4%、緑の党8.86%。決選で左派市民がどこまで追い込めるか。
 2候補の公約は、地方増税なし、環境改善、託児所増設などほぼ似たりよったり。ドラノエ市長による都市計画(車道縮小やVélib’とAutolib’の普及、トラムウェイ敷設)もほぼ完成。次の女性市長が取り組むべき問題は、パリ市民の貧富の差を拡大し続ける家賃高騰問題だろう。今日パリはシンガポールに次ぐ家賃高騰都市だそう。(君)

 

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