夏のバカンスシーズンも終わると、どんなバカンスだったかが、大いに話題の中心になる。
ここフランスでは、バカンス時の移動手段として、飛行機や電車ではなく、車を選ぶ人が圧倒的に多い。事前に渋滞情報を確認するなど車ならではの気を遣うことが出てきてしまうけれど、移動中も周囲に気兼ねなくくつろげる、旅行中の移動も楽になる、荷物だってとりあえず持っていったところで無駄になってもそれほど気にならない、行きは家族親類へのお土産を、帰りは地方の郷土土産を積み込める、等々の理由により、多くの人が車を選んでいるようだ。
そのようにバカンスに出発する車は、助手席の窓も見えないほど荷を積み込んで、勇躍楽園へと旅立つのだが、しかしここで注意! 度を越した積荷は、交通違反で罰金徴収されることをご存知だろうか。
道路交通法によれば、前方部分に飛び出して積荷してはならず、後方には3メートル以内の積荷のはみ出しが可能だが、1メートルを超えたら注意書きを貼らなければならない。
実際の積荷可能量は車種により異なるが、これを機会にカルトグリーズをご覧いただきたい。最近の車のナンバーではF1の項目に〈masse en charge maximale admissible du véhicule〉とあり、古い車のナンバーでは〈PTAC=Poids Total Autorisé en Charge〉という項目に記されている。
取り締まりでは、明らかな詰込み過度車や車高が下がっている車などは、実際に重量測定にかけられることもあり、規定の重量より20%超以内なら135ユーロの罰金、20%超以上なら法廷出頭義務も加わり、罰金はなんと最高1500ユーロにも達する。
そのうえ過積載の車はパンクの他、ブレーキの利きも悪くなる。荷物は身軽にし、思い出だけは、心にたくさん積み込んで帰ることにしよう。(和)