夏らしい香りのフェンネルとタイのデュオ。

  暑い時には、暑い国の香り高い料理がおいしい。イタリア人や南仏の人が大好きなフェンネルfenouil(ウイキョウ)は、そのアニス系の香りで、好き嫌いが分かれるところだけれど、火を通すと、その香りも柔らかくなり、軽い甘さも感じられるようになる。魚との相性も抜群で、締まった白身の魚なら、タイでもスズキでも、おいしいデュオ。今回は、フランスではタイの王様といわれるdaurade royaleのローストのお伴。
 4人分として600グラム前後のタイを2尾買ってくるのだが、魚屋にウロコをとってハラワタを抜いてもらう。 家に持ち帰ったら水で洗って、クッキングペーパーで水気を丁寧にぬぐう。
 次はマリナード(漬けるタレ)の準備。バットなどにオリーブ油、レモンの搾り汁、フェンネルシードを加えてよく混ぜ合わせ、タイを置く。何回かひっくり返しながら1時間くらい味をしませる。
 オーブンを200度の目盛りに合わせて点火。
 フェンネルは四つに切り分けて、固い芯のところを切り取る。葉と茎のところはみじんにきざむ。タイを取り出して、腹の内側も忘れずにしっかりと塩、コショウする。腹の中には、きざんだフェンネルの葉と茎を詰める。このタイを大きめのオーブン皿かバットなどに置き、まわりにフェンネルを、なるべく重ならないように並べる。刷毛でフェンネルにたっぷりオリーブ油を塗り付け、塩、コショウし、熱くなっているオーブンに入れる。約30分で、魚とフェンネルにきれいな焼き色がついてきたらでき上がり。大きなオーブン皿がない時は、魚だけをオーブンで焼くことにし、フェンネルは7ミリくらいの厚さに切って、フライパンにオリーブ油をとって炒めることにしよう。
 タイの骨は危険。焼き上がったら、ナイフを使って身を丁寧にとり出して盛り付け、身の上からさっとオリーブ油をかけるといい。レモンを添える。
 ワインはタヴェルなど、コット・デュ・ローヌのロゼをきりりと冷やして。(真)
タイ600gのものを2尾、フェンネル3玉、レモン1個、オリーブ油、塩、コショウ
タイの漬け汁:オリーブ油大さじ6杯、レモンの搾り汁半個分、フェンネルシード大さじ2杯

●fenouil
 フェンネルfenouilはセリ科ウイキョウ属の植物で、解熱、利尿などの効能があり、中国、インド、エジプト、ギリシャで古くから薬用として栽培されてきた。今でも地中海沿岸で多く栽培されている。種(フェンネルシード)はスパイスとして、肉や魚を漬けるマリナードに入るし(フェンネル風味のサケのマリネは絶品)、カレーのスパイスとしても悪くない。
 ふくらんだ株元bulbeは5月くらいから秋口まで、野菜として八百屋の店頭に並ぶ。そのまま薄くスライスしてサラダに入れてもいいし、オリーブ油やバターでソテーするのも悪くない。おいしいトリガラのブイヨンがあったら、そこへ、ゆでてから裏ごししたフェンネルのピュレと生クリームを加えれば、おいしいスープになる。
●daurade royale
 地中海やガスコーニュ湾でとれ、大きいものは全長60センチ、3キロほどになる。ウロコは明るい銀色。ほほのところに金色の斑点、目と目の間にやはり金色の三日月形があるのですぐにわかる。繊細な甘み、身がみごとに締まっていて、最高級の刺身になる。塩焼きにしたり、ハーブをきかせてオーブンで焼くなど、シンプルに調理したい。キロ20€前後。最近は養殖ものも多く13€前後。
●pageot/dorade rose/dorade grise
 pageotも地中海やガスコーニュ湾でとれる。小さな青い斑点を持った桜色で、真鯛あるいはその親戚のタイ。全長50センチくらいになる。上品な甘みを持つが、やや身に締まりを欠く。刺身、チリ鍋、塩焼きなどの和風に最適だし、プロヴァンス風に煮るのもいい。キロ18€前後。
 dorade roseはやや細長いタイ。大きいものはエラの脇に黒い斑点を持っている。主に大西洋沿岸でとれる。味は落ちるが、白ワインで煮たり、香草をきかせて焼くといい。
 dorade griseはふつう30センチ以内の小さめのタイで、ツヤのない灰色をしている。そのためか、値段はキロ10€前後と安い。ちょっと磯(いそ)臭いので、マリネしてから焼いたり、香りよく揚げたりするのがおすすめだ。 


Daurade royale rôtie au fenouil



 

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