1912年4月15日、氷山と衝突し深海に沈んだタイタニック号。1500人の命を奪った豪華客船の真実に迫る展覧会が、現在開催中。すでにシカゴ、ロサンゼルス、ロンドンなどで計2500万人を集めた巡回展。夏休みいっぱいはパリに「停泊中」、ぜひ乗り遅れないように。
全長がエッフェル塔の高さとほぼ同じタイタニック号には、職業や階層が異なる人々が乗り込んでいた。海洋探査で引き上げた280の品々は、百年前の生活文化を反映。食器、鞄、コイン、なかには液体が残った化粧水の瓶も。客室や廊下、カフェも細部まで再現。事故の直前に1等客室の客が「星がたくさんで生きているのが嬉しい夜」と書き残しており、何とも言えない気分に。食いしん坊の我が娘は食事メニューの展示に興味津々。「3等客室のプラムプリンが食べたい」らしい。タイタニック号はたとえ
3等客でも食事もベッドも悪くない。ただし犠牲者は、やはり3等客室の客が多かった。
とにかく隅から隅まで人間ドラマの宝庫。あらゆる形の真実が心にしみる展覧会だ。(瑞)
Exposition Titanic
9月15日まで10h-19h。無休。15.9€(月曜は12.9€)/
14歳未満は12.9€/5歳未満無料。入場料はオーディオガイド代込み、子供専用のオーディオガイドもある。
Paris Expo-Porte de Versailles, Pavillon 8
M°Porte de Versailles
タイタニック号の本
タイタニック号展の売店には、関連本がたくさん並ぶ。子どもが楽しめるBDや小説まであり、思わず目移りしてしまう。なかでもコストパフォーマンスが高そうなのが、ラルース社による飛び出すしかけ絵本。百科事典で名高い出版社だけに、ツボを押さえた解説に加え、豊富な写真やイラスト。付録は立派なタイタニック号の模型。難しそうだけど、親子で挑戦したい。
1等客室は豪華なホテルのよう。
3等客室は2段ベッド。
触ると冷たい!子どもたちに人気の氷山コーナー。
革靴は、海底から引き上げたとは思えない状態のよさに驚く。
Titanic – Le livre et sa maquette Larousse社 19.9€。