『一台の黒いピアノ…/ バルバラ 未完の回想』

 現代シャンソンの最も重要な創造者の一人、バルバラの没後15年。本書は5月に日本で発売され、歌う女、ピアノの女、恋する女をまっとうした彼女の生きざまに共鳴するファンのみならず多くの読者の間でも大きな話題になっている。
 バルバラについては、長い間、音楽専門家や批評家たちの間で誤った憶測が飛び交い、ファンは翻弄され続けた。彼女自身、インタビューで「私は、ずっと前に死んでいるのです」「女であること、それはひとつの職業です。悲しい職業です」などと答えて、過去についてあまり語りたがらなかった。
 そのバルバラが、自らの「喪」に服しながら綴ったこの手記によって、両親との葛藤、とくに彼女の代表作『黒い鷲』に秘められた父親による近親姦、生まれては消えていく狂おしき恋の炎など、今まで誰も知らなかった、封印されてきた多くの謎が一挙に解明された。同時に、知性と気品に溢れる芸術性の高い詩情豊かなバルバラの作品の背景が見えてくる。
 この一冊によって、日本でもバルバラ・ブームが到来してほしい。(南)
著者:バルバラ 訳者:小沢君江 値段:1800円+税 出版社:緑風出版

 

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