私たちは都会の「落ち穂拾い」
『晩鐘』と並ぶジャン=フランソワ・ミレーの名作が『落ち穂拾い』。刈り入れが終わった麦畑で三人の女が落ち穂を拾っている。麦だけでなく、ジャガイモとかブドウとか、収穫後に残された作物を拾うことは、日本の入会権のように、権利として認められていた。こんなふうに拾う人たちのことをglaneur(glaneuse)という。パリの朝市で野菜と果物を拾う人たちは、さしずめ現代の「落ち穂拾い」。映画作家アニェス・ヴァルダは、1999年に撮ったドキュメンタリー『Les Glaneurs et la glaneuse』の中で、現在でも拾わなければ食べていけない人たちがいることに疑問を投げかけると同時に、そんな「落ち穂拾い」の人たちの生きる力を讃えている。
お金持ちが多く住んでいる界隈の朝市は、さばく野菜や果物の量が少なめなので、必然的に拾う量も限られる。やはり、庶民が客で、どさどさっとキロ単位で野菜を売っているようなマグレブ系露店が多い市場がねらい。露店が片付けを始める前の12時45分くらいにマルシェに着き、様子をうかがうことが大切。季節的には、トマトやピーマンなどが豊富で、どんどん熟していく初夏から秋の初めが、拾いがいがある。
Marché Charonne
水7h-14h30、土7h-15h。
Boulevard de Charonne 11e M° Alexandre Dumas
Marché Belleville
火と金7h-14h30。
Boulevard de Belleville 11e/20e M° Belleville
Marché d’Aligre
火〜金7h30-13h30。土日7h30-14h30
翌日が休みの日曜がねらい。
Place d’Aligre 12e M° Ledru-Rollin
*ここに記してある時間より1時間くらい早く終ることも多いので要注意。