朝市へ、野菜と果物を拾いにいった。

きょうの収穫物。セロリはイカとの炒めものやスープに、トマトとナスはラタトゥイユに、アボカドはワカモレに、セロリの葉はオイスターソース炒めに、オレンジは朝のジュースに、1個だけ拾った里イモはみそ汁に、と心が浮き浮きしてくる。

 

 春になって、パリの朝市は露店から色とりどりの野菜や果物があふれそう。その露店が片付けを始める頃に、かなりの数の人たちが、背中を曲げながら、ひざを折りながら、地べたに落ちているサヤインゲンやチェリートマト、あるいは木箱に捨てられているセロリやトマトを拾っている。
 この不景気の中、野菜と果物がどんどん高くなり、裕福でない独身者や大家族の食卓から、栄養上欠かすことができない野菜や果物が消えていく。そんな中、生き抜くための術(すべ)として、都会の朝市で野菜と果物を拾う人たちが、これからも増えていくに違いない。(真)
構成:佐藤真、文:仲野麻紀、写真:pipostar

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