2009年から2012年にかけて寄港50回を重ねながら、115 000kmの世界を駆けめぐったタラ号。その海上プロジェクトの目的は、プランクトンと遠隔地域のさんご礁を調査して、地球の表面の3分の2をしめる海に棲息する、目に見えない世界の生態に関する情報を科学者たちに提供することであった。その結果、プランクトンの特性を示す遺伝子のほぼ70%が未知であることが証明され、画期的な成果を上げたプロジェクトとなった。
タラ号の集積したデータは、何十年にもわたって、医学、薬学、気候の変化、バイオバンク、ゲノミクスの研究に欠かせないものになる。そして、名だたる国際的な研究所の海洋学者、生物学者、遺伝子学者、物理学者の協力を得、誰もがアクセスできる生物海洋学の多元的なベースの構築に取り組む。
2013年、北極海への冒険の続くタラ号プロジェクト代表エティエンヌ・ブルゴワ氏は「タラ号プロジェクトは私たちが海についていかに無知であるかを示した」と語り、この冒険を支援し続けるデザイナー、アニエス・べーは「タラ号プロジェクトは、展覧会を見た130校の子供たちに、環境問題に関心を寄せる種をまくことになる、素晴らしい冒険」と目を輝かせる。
この記事を読んだらすぐに、2月3日までアレクサンドル3世橋下(グランパレ側寄り)の前に寄港しているタラ号と展覧会を見にかけつけてください。(苗)