子を育てながら親も育てられる、というテーマで続いたオヴニーの連載が一冊の本になった。妊娠、出産、たまたま通りかかったトラックの荷台に書かれていた「MILA」をそのままとってミラと命名。そのミラさんがもうすぐ10歳になるまでの、子と母親(林瑞絵)の付き合いが、さなざまなエピソードと共に描かれていく。父親のジルやフランスの学校の影響で、日仏文化のズレが現れてくる。そのズレは、添い寝の善し悪しをめぐりクライマックスに達する。そしてジルと別れ、シングルマザーになって初めて見えてくること…。新たにコラムやフランスの家族手当についての資料も掲載され、フランスでの子育ての実用書としても役に立ちそうだ。
最近のフランスでは父親も積極的に育児している。ジルの声をもっと入れたらフランスの育児状況がもっとよく理解できたのでは、と思う。(真)