今年はエディット・ピアフ没後50周年。昨年末にでたパトリシア・カースの新作『KAAS chante PIAF』は、英国のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と共演し、久々に話題のアルバムに。
盲目の女の恋を歌ったムスタキの『あなたはきれいね、分かってるでしょう』ほか、『あの太陽と一緒に』、『あなたに首ったけ』など、日本では馴染みの薄い曲も取り上げていて興味深いが、いつものようにがむしゃらに歌っていて感性に乏しい。アベル・コルツェニオフスキがアレンジを担当した、映画音楽を思わせる大袈裟で壮大な美しい演奏とあまりにも不似合い。数年前のユーロビジョン・ソング・コンテストでは、人気落ち目の彼女が再起を賭けフランス代表で参加したが、結果は思わしくなかった。それ故、今回のピアフを歌うワールドツァーという選択は彼女にとって最後の切り札。特にパリ公演は、再度カムバックを果たすための正念場となりそう。7月には4度目の日本公演が予定されている。(南)
26日〜3月2日 20h。39€〜99€(Fnac)。
Olympia : 28 bd des Capucines 9e
08.9268.3368