人馬一体となったポエジーを現前させる

 夏のバカンスで滞在したアイルランドはどこに行っても牧場が広がり、そこを親子の馬が肩を並べて走り回る姿は、心が晴れ晴れするほど美しかった。馬と人の間には、お互いに引き合う力がありそうだ。そんな重力を感じさせる、人馬一体となったポエジーを現前させるのが、調教師・魔術師バルタバス、そして彼が率いるジンガロ座。
 『ルンタ(風馬旗)』では、静ひつな精神世界を息づかせ、『バトゥータ』では圧倒的な疾走感に酔わせてくれたバルタバス、今回の『Calacas カラカス』は、メキシコを舞台に死の舞。メキシコ人にとって、死は新たな生へと移行していく旅でしかないから、その死を笑い飛ばし、死と親しみ、たわむれる。その旅の道連れは馬たち。太鼓が打ち鳴らされシンバルが響き、祭りが始まる。暗闇から人と馬が現れ、動く。それは芸というよりは、人馬の間で交わされる呼吸、人馬がたがいに耳を傾ける「無言歌」。時には繊細な、時には激しい馬の動きに観客たちは息をのみ、その祝祭に参列していくことになる。
 あれは夢だったのか現(うつつ)だったのか? 今でも、頭上の回廊をガイコツに操られながら疾走する馬たちのイメージが、カタカタカタカタというガイコツの骨の音とともに、走馬灯のように頭の中を回り続けている。(真)
12/31迄20h30、日17h30。
月・木休演(24日と31日を除く)。
42€〜50€/30€(12歳未満)。
Théâtre équestre Zingaro : 
176 av. Jean- Jaurès, Aubervilliers 
M°Fort d’Aubervilliers www.bartabas.fr

Calacas



 

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