花や果物、野菜、華やかで意外な組み合わせに感嘆の声。
●カトリーヌ・ミュラーさん
2005年からパリで花の学校を開いているカトリーヌさんは、ヴェルサイユ近くの緑多い地域で生まれ育った。子供の頃から花や植物に親しんできた彼女は、16歳の時に進路を決める際、当然のように愛する花のことを学ぶために専門学校に進んだという。その後、ヴェルサイユやパリの有名店での数々の研修、また韓国や日本、アメリカでの海外経験を経て、腕とセンスを磨いてきた。
毎週火曜日から金曜日まで開かれているマスターコースでは、朝10時から16時半くらいまでの間に、毎日3、4作品をみっちりと学ぶことになる。カトリーヌさんのデモンストレーションに続き、それぞれの作品づくりに取り組む生徒たちの目は真剣そのもの。その手際も良い。このコースに参加する、世界から集まってくる生徒の多くは、すでに花屋で働いているプロも多いのだという。
このコースは8人から9人の少人数制で、授業が進むにつれてカトリーヌさんと生徒の間には温かい師弟愛が生まれ、特に最終日の金曜ともなるとなんともいえないアットホームな雰囲気が生まれる。コースの最後を飾るのは、グリーンアスパラガスや小さな茄子、ビーツ、スグリに、ランの一種のパフィオペディラム、チューリップ、フリチレール、スカビオサ、スイトピーをあしらった、まるで彫刻のような作品(下の写真)。作業台にのった花や果物、野菜を目にした生徒から、その華やかで意外な組み合わせに感嘆の声があがった。
女性ならではの繊細さを残しつつ、ダイナミックでオリジナルなカトリーヌさんの花の世界。どれもこれも美しいだけではなく、見る者にパワーを与えるような活力にあふれていて、心が震えるよう。プロでなくてもこの講座へ参加することは可能。「去年のクリスマスに、夫がこの講座をプレゼントしてくれたの」と嬉しそうに語ってくれた生徒さんもいた。
ランジス市場で揃えたという、野菜や花の一式。
アスパラでオアシスをぐるりと囲み、チャイナグラスで結わえる
フリチレールの花を、オアシスにさしていく
赤紫のビーツ、ピンクのスイトピーが緑に映える。
全体のバランスを見ながら、スグリの実を添える。
今まで見たことのない、新しい世界に思わず感激!
「パンダ」という名の蘭、クレマチス、 カラー。